社債のメリット

ある方からこんな質問を受けました。
 
株式調達と負債調達の違いって??
 
そのときには、なんとなくお答えしたので、
ここで正しく説明しておきます。
 
MM理論の第1命題では、法人税を考慮しない世界では、
株による増資と負債による調達は、同じ企業価値
なると考えます。(証明は省略します。)
 
しかし修正第1命題は、法人税を考慮します。
法人税を考慮すると、負債で調達した方が
tax costがかからない分、株による調達よりも
企業価値が高まるのです。これを負債利子による
節税効果といいます。
 
この考えでは、負債だけで全て調達した方が企業価値
向上すると考えられます。しかし負債だけでの
調達は企業の収益力が弱まった場合、債務超過に陥る
恐れがあるのです。これを倒産コストと呼びます。
 
基本的に投資家・債務者と経営者の間には、情報の非対称性
(企業の行動を直接的に監視できないこと)や専門知識・能力の
欠如があり、これを補うためには、ディスクローズの充実性が
必要となります。これにかかるコストをエージェンシーコスト
と呼びます。
 
このエージェンシーコストが投資家にとっても債務者にとっても
最適でなければなりません。
 
つまりこの最適(最小なエージェンシーコスト)
なところを選ぶことが、企業の資本効率を高め、
さらには企業価値を高めることになるのです。
 
これでどうかな?