Class[メインバンクの役割]

メインバンクが果たしてきた役割とは何か?
メインバンクには貸し付け企業に対してステークホルダーとしての役割があったそうです。例えば債権者として企業業績が悪化した際に規律付けの効果があったり、一方で持合株をすることで安定的な株主としての側面もあったといえる。それだけでなく内部情報に通じていたことから守秘義務の中で企業へのモニタリングの役目を果たしてきた。では何が問題だったのか?まず内部情報をディスクローズすることは当然できない。アナリストとしての役目はできたとしても、それを市場に公開することはなかった。また情報生産機能としてレントを過剰に追求することから経営者が生産性を高めるインセンティブが低下した。(ホールドアップ問題)また安定的な株主としての存在であるにもかかわらず、フリーライダー化したこともまずかったのだろう。現在の日本においても、なお間接金融と直接金融とが共に供給されている。今のメインバンクに同様のガバナンス効果があったとしても、そのディスクローズの弱さがあるため、貸出市場が大きく伸びることは望めない。一方で社債市場は一部の格付けの高い優良な企業だけに開かれた市場であり、経営者としても市場からの資金調達を行うインセンティブが低い。日本の場合、第3者割り当て増資などが多く、市場に閉鎖感がある。これらの観点からしてももう一段階市場性の高めるような金融制度の確立が必要であり、かつ市場規模の拡大が必要であろう。資本市場の拡大にはある程度の緩みとその説明責任が必要なのだろう。メインバンク制は果たして生き残ることは可能なのだろうか??