Finance/Economics[環境行動とインセンティブ]

昨今の環境に関する報道が多く取沙汰されている。日本においても漸く、排出権取引に関する研究会を行い始めたばかりである。でも実際の生活においてCO2の排出に気を配っているだろうか。そもそも環境を守るインセンティブが生活する上であるのだろうか。
 ドイツなどでは、環境やCO2の排出への関心が高く、個人が住宅を着工時にソーラーシステムを導入すると税金面などでの優遇があるそうだ。つまり、環境を保護するにもそれなりのインセンティブが必要ということなんでしょうね。製造業にしてみれば、環境ビジネスという分かりやすい形でのインセンティブがある。(一方でその形を崩さないためにも排出権取引に非協力的なのかもしれない。)だが日本の実際家庭におけるインセンティブは極わずかである。(エコバックなど?)
経済学では、ダイナスティ仮説(王朝仮説)と呼ばれる仮説がある。これは、所得を次世代に残すことを前提にした消費・貯蓄行動の関係性を現したものである。つまり次世代に資産を残すために退職後の消費を抑えることを表していている。現実に環境という最も有形で資産化されない物をどのように残すかが今問われているようにも思える。家庭内における環境配慮は現状でのインセンティブが低く、「次世代に影響を与えない」ことが唯一のインセンティブになるのかもしれない。そうでなければ、政府が家庭内でのインセンティブをどう与えるかをまじめに考えるべきなのではないだろうか。