Power

Coaseの指摘では「契約を結ぶ時点では、財・サービスの供給者が買い手によって期待される事柄のすべての範囲を網羅することであり、期待される細目は買い手によって後日決定される。」この「買い手によって後日決定されるような生産要素への命令」をPowerと呼ぶ。不完備契約においては、取引(投資)が関係特殊的であり、将来において再交渉が必要になってくる際に、交渉力が必要となってくる。この交渉力がPowerである。さらに言えば、不完備な契約において取引費用が存在する場合、事後的交渉力によって残余コントロール権の配分が決定するため、物的資産における所有権の不完備契約では、この残余コントロール権がPowerとなってくる。